もし無人島に10点だけ持っていくとしたら

無人島は大袈裟ですが、2025年12月、つくば市でのPOP-UP営業のためにつくば市でウィークリーマンションを借りて3週間ほど生活しました(そう言えば昔私がつくばに住んでいた頃、つくばは「陸の孤島」などと呼ばれていました。そういう意味では島なのかも?)。
ウィークリーマンションに備え付けられたキッチンツールでは心許ないであろうという予想のもと(そして実際に到底使える代物ではなかったです)、普段愛用しているキッチンツールを持参したのですが、持って行ける量にも限りがあるため厳選に厳選を重ねて絶対にないと困るキッチン用品を10点だけを持って行きました。
実際に毎日使っているキッチンツールの中で、どうしても10個だけしか持って行けないというときに私たち紡ぎ舎店主は果たして何を選んだのか。
今回は皆さんにその10点をご紹介したいと思います!
味わい鍋(片手20cm)/文化軽金属鋳造
迷わず持っていくものに選んだ第1号が味わい鍋片手20cmでした。
まずは何をするにも基本となる「煮炊き」に欠かせない味わい鍋。両手鍋と片手鍋がある味わい鍋ですが、その中でも片手鍋はフライパンとしても鍋としても炊飯器としても揚げ物用の鍋としても無水調理ができる鍋としても活躍するため1台でキッチンツール何個分にもなります。
アルミの鋳物だから軽くてサッと使える手軽さがありながら、しっかりと料理が美味しくなる機能性も優れた味わい鍋は、本当に我が家の毎日の暮らしの中で絶対に欠くことのできないアイテムです。
味わい鍋ってなに?どこがそんなにいいの?という方は、まずはこちらの読み物をぜひご覧ください↓
やくさじ(5ml・15ml)/Conte(コンテ)

やはり1つで何役もこなせるアイテムはこういう時(無人島に行く時)にとても助かります。
その名も「1本で何"役"もこなすから"やく"さじ」というこちらの匙は、ときには計量スプーンであったり、またある時は料理を和えたり混ぜたりする匙であったり、味見をする匙であったり、はたまた匙のお尻?の方を使えば「塩少々」を取ったり缶の蓋を開けたり、などなど大車輪の活躍。
当店のお客さんでも最大で大さじ・小さじを6セットお買い求め下さった方もいらっしゃるほどの便利アイテム。見た目の地味さからは想像できないすごいやつです。
ピーラー/ヨシタ手工業デザイン室

包丁があればピーラーも兼ねられるという意見もあるかも知れません。ましてや10アイテムしか持って行けない状況では他のものを優先するというのも一つの選択肢。
でも我が家では根菜類を使うことが結構多いこといったこともあって、この限られた枠にこちらのピーラーを入れました。
一般的なピーラーよりも小ぶりに作られている上に、角が丸くなった金属(ラウンドバーと呼んでいます)を使っているので手の中の収まりがとてもよく、力を入れたり長時間使っても手が痛くなりません。
バターケース(丸)/柴田慶信商店

パンが好きで、朝はいつもパンを食べる我が家ですからバターは必須です。もちろんバターだけを現地で調達してバターケースに入れずに冷蔵庫に保管するという手もあります。
ただ、既にお使いの方は分かってくれると思いますが、曲げわっぱのバターケースを使った時の「冷蔵庫から出した直後でもバターがカチカチにならない」という感覚を覚えてしまうともう抜け出せません。バターがしっとりと保たれてカチカチにならないので、バターを塗るときのストレスが全然違うんです。
日々のちょっとしたストレスを軽減してくれるというのは優れた道具に求められる必須の条件の一つだと思いますが、まさにそういうアイテムです。
いちょうの木のまな板(真四角)/Woodpecker

無人島に持っていくアイテム5選だったとしてもランクインしたであろういちょうの木のまな板。我が家は「真四角」を使っています。正方形。
まな板というと横長のイメージがありますが、一度使ってみると真四角の使いやすさがよくわかります。空間効率がいいのです。キッチンを占領するほど大きくないけど、料理をするには十分な大きさ。
あと、いちょうの木のまな板の粘りのある柔らかな刃当たりを覚えてしまうと樹脂製などのまな板はとても使えません。包丁がすぐに傷んでしまいそうな気持ちになります。
しゅろのやさしいたわし細め(中)/?田耕造商店
野菜を洗ったり、まな板を洗ったり、何かとないと困るのがしゅろのたわしです。素材を傷つけることなく、それでいてしっかりと汚れを落としてくれる優れもの。ガラスのコップを洗っても全然傷つけません。
個人的に一番ないと困ると思う場面は野菜を洗う時でしょうか。特にジャガイモ、さつまいも、レンコン、ごぼうといった根菜類にはこれがないととても困ります。
色々な大きさや形のあるしゅろのたわしですが、どうしても1つ選べと言われたら「細め(中)」を選びます。この形が一番活躍の幅が広いと感じています。
ペッパーミル・ソルトミル
料理の基本といえば「塩胡椒」ということで、ペッパーミル・ソルトミルももちろん必須アイテムとして持っていきました。
普段の家のキッチンでも常に目に見えるところに置いてあるペッパーミルとソルトミル。遠く離れた普段とは勝手の違う(使いにくい)キッチンにいても、いつもと同じミルたちがそこにいるだけでちょっと気持ちも落ち着くものです。
ミルとしての使いやすさはもちろんですが、普段の暮らしをちゃんと思い起こしてくれるというのも暮らしの道具の大切な役割かも知れないと今回のつくばでは感じました。
包丁/(越前打刃物etoe)

今回選んだ10アイテムの中で唯一紡ぎ舎でお取り扱いしていないのがこちらの包丁です。包丁は4本くらい使っていますが、一番使用頻度が高いこの包丁を選びました。大きすぎず小さすぎない万能サイズ。
以前、ものづくりの産地を訪ねて日本全国を旅していた時に立ち寄った福井県は越前市の「|柄《え》と|繪《え》」さんで購入した越前打刃物の包丁。柄と繪さんは包丁の持つ部分、つまり「柄」を作る山謙木工所の山本さんご夫妻が立ち上げた場所で、実際に山謙木工所の柄を使った包丁を購入することも出来ます。
お玉(小)/工房アイザワ

よく「大は小を兼ねる」と言いますが、お玉(レードル)の大きさについては「小が大を兼ねる」ではないかと個人的には思っています。
大きなレードルはたくさん掬うことができて便利なのですが、レードルの本当に大切なポイントは掬ったあとの汁をどこかに入れるところにあります。
鍋からお味噌汁をお椀に入れたり、作ったスープをスープジャーに入れたり。
この時に大きなレードルだと大きな器や容器に入れる時にしか使えませんが、小さなレードルだと(何回も入れなければならないにしても)大きな器でも小さな器でも対応できるのです。
だから「どれか1つ選ぶ」とすると小ぶりのレードルを選ぶのが正解だと思います。
木のへら/大久保ハウス木工舎

最後にご紹介するのはこの独特な形状の木べらです。紡ぎ舎でも最もお問合せをいただく商品の一つ。最も入荷待ちいただいているお客様の多い商品の一つでもあります。
先ほどバターケースのところで「優れた道具の条件」という話を少ししましたが、"究極の道具"と呼べるものがあるとすればそれは「自分の手」なのではないかと思います。それは最も意のままに操ることができるからです。
大久保さんのヘラはまるで自分の手の延長で炒めているような気持ちになるくらいに自分の作業に馴染んできてくれます。そういう意味では究極の道具に近いものなのかもしれません。
味わい鍋の商品
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