2024年4月入荷分より、小さな瓶が100mlから130mlに変更となりました。

白いご飯にかけたい醤油

「再仕込」というのは、通常醤油を仕込む際に「麹」と「塩水」で仕込むところを塩水の代わりに醤油を使っているということです。
つまり、単純に考えても通常の2倍の原料と2倍の時間をかけて作られたお醤油です。

再仕込醤油の特徴は何と言ってもしっかりとしたコクと旨味です。

初めて作り手の鈴木さんにお会いした時、「白いご飯にかけて食べてみてください」と言われたのですが、旨味がしっかりしているので本当にそれだけで十分にご飯が食べられてしまうのです。
（いわんや卵かけご飯をや）

それ以外だとバニラアイスクリームにちょっとかけるのもおすすめです。

本当の「手作り」醤油です

生産者協同組合などを通じた共同仕入れ・共同仕込みによる醤油作りが主流となっている今日にあって、平右衛門シリーズは鈴木さんの蔵で仕入れから仕込みまで全て手作業で行われています。

火加減を確認しながらじっくりと大豆を蒸し、小麦を炒り、今では使用する蔵も数少なくなった麹蓋を使って麹を作る。とても手間のかかる製法です。

麹づくりが行われる麹室に並んだ「麹蓋」。今ではこれを使う蔵もかなり珍しくなりました。

そして、1月〜2月の最も寒い時期に麹と塩水（再仕込はここで醤油を使用）を木桶で仕込み、これが「諸味」とります。

木桶で熟成される諸味は時折混ぜる必要がありますが、鈴木さんが「櫂棒」で手作業で行なっています。かなりの重労働です。

発酵が進み時々プツプツと泡が出てくる諸味。木桶でじっくりと熟成されます。

熟成された諸味を絞り、取り出した液体に火入れをします。これによって香りを引き立たせ、微生物の活動を止めることによって熟成をストップします。
最後には澱を取り除くために濾過をして瓶詰め。仕上げのラベル貼りも全て手作業で行われています。

諸味を圧搾して液体（醤油）を取り出し直火で火入れをします。

昔は醤油を充填していた装置。今はラベルを貼る時に使っているそうです。

文字通り一から十まで手作業で行われる、ほんとうの手作り醤油です。

- この商品の作り手 -

醤蔵すずき（鈴木醤油店）

福島県の中通り、猪苗代湖の南に位置する天栄村は人口およそ5,300人の小さな村。郡山から車でおよそ30分くらいのところにあります。
この天栄村で6代、130年続く醤油蔵が鈴木醤油店です。

6代目の鈴木良浩さん、洋子さんご夫妻がその伝統を引き継がれています。

木桶が並ぶ蔵。お醤油の香りが立ち込めます。

良浩さんは都内で教員を、洋子さんは外資系保険会社で働いていましたが、結婚を機に良浩さんの家業を継ぐべく二人で天栄村に移り住みました。

「会社員時代に郡山に転勤で住んでいたので、福島という場所自体は馴染みのある場所だった」という洋子さん。でもまさか自分が醤油作りをすることになるとは思ってもなかったことでしょう。

今ではすっかり醤油作りに惹き込まれ、とても楽しそうにお話をして下さる姿が印象的でした。

雪国らしく「合掌造り」の蔵。天井には菌が生きています。

生産コストの削減や効率化のために生産者協同組合などの単位で原料の大豆や小麦を共同仕入れし、共同出資した工場で麹づくりから発酵・熟成に至るまでを行う方式が日本の多くの地域で見られます。
そしてそれは福島県も同様です（このような共同生産の方式が「福島方式」と言われるほど、福島県がその先駆けでもあります）。

昔ながらの「麹蓋」と呼ばれる道具を使って麹づくりをします。

しかし鈴木醤油店では大豆を蒸し、小麦を炒るところから、麹づくり、発酵・熟成、そして最後にはラベルの賞味期限の日付をハンコで押すところまで全てを手作業で自分達だけで行う正真正銘の「手づくり醤油」を作っています。

ハンコで一つ一つ押した賞味期限の日付のインクを乾かしています。

元々はアミノ酸などを添加した「甘い」お醤油で育ったという鈴木さんですが、都内にいた頃に本醸造の醤油の美味しさを再認識したといいます。

そして小さな醤油蔵であることを生かして、大手や協同組合ではできない、昔ながらの麹蓋や木桶を使い、添加物を使用せず、じっくりと時間と手間をかけた手作り醤油を決心しました。

蔵の梁。「建主　鈴木平右衛門」と読めます。商品名の由来にもなった平右衛門さんです。

地元に戻って最初の頃、比較的大きな注文が入って少し浮かれた気持ちで作っていたら見事に味が落ちてしまったという経験もあるという鈴木さん。
その教訓があるからこそ、醤油づくりに向き合う真摯な姿勢といい醤油づくりへの向上心に溢れているのでしょう。

まだまだ試行錯誤をしているというお二人。
そんなお二人がこれから作り出すお醤油がとても楽しみです。

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