• 合鹿椀(古代朱)

  • 古代匠 畠中

    合鹿椀(古代朱)

    税込み ¥11,000

汁椀としてはもちろん、煮物などを盛り付けたり、丼として使ったり、いろいろな使い方が出来る応用範囲の広い器です。

「合鹿椀(ごうろくわん)」というのは、元々は能登半島にある柳田村(現在の鳳珠郡能登町)の合鹿地区で作られていたことからそのように名付けられたのだそうです。
その辺りには歴史的に多くの木地師がおり、その人たちが自分たちが日常的に使う食器として作られていたのではないかと考えられています。

木地が厚めでしっかりしていて、装飾などを施さず素朴で無駄のない、日常遣いに適した造形です。
まさに「用の美」を体現した美しさですね。






<サイズ>
直径:約215mm/高さ:約75mm

*サイズは代表的な寸法を記載しております。焼き物は1つ1つ手作りされるため大きさには個体差がございます。ご了承ください。

<素材>
漆器
(木地:栃)

<配送オプション>
ネコポス:対象外
宅急便コンパクト:対象外




- この商品の作り手 -



古代匠 畠中




私たちが紡ぎ舎をオープンする前に全国の産地を巡っていた2020年に初めて河和田を訪れたとき、「うるしの里会館」で実演をされていた職人さんがいらっしゃいました。
私たち夫婦があまりにずっとその所作に見入っていたので(本当にずっと見ていました)、職人さんが声を掛けて下さって「家の方に来たらもっと色々見られるから是非きてみなさい」と言ってくださいました。

その方が「現代の名工」にも選ばれた塗師、畠中昭一さん(当時79歳)でした。
すでにその技術は長男の信也さんにしっかりと伝え、第一線からは退かれていたタイミングではありましたが、主に下塗りなどの工程を引き続き担当していらっしゃいました。

「古代朱」と呼ばれる深みのある朱塗りが畠中さんの代名詞。顔料の比重が重いため、塗りムラが出やすく大変技術を要する色合いです。でもこれが本当に美しい色なのです。





畠中さんの工房では、一部の漆については「手ぐろめ」と呼ばれる方法で自分たちで精製を行なっています。
精製機を使うのが一般的な今にあっては大変珍しい方法です。

漆の生成には「なやし」と「くろめ」と呼ばれる工程があります。
生漆を練り込むように攪拌して漆に光沢を与える「なやし」と、漆に熱を与えながらゆっくり水分を蒸発させる「くろめ」です。
「くろめ」によって水分が蒸発することで漆の色が褐色から濃い飴色に変化していきます。

この「くろめ」の工程を、天日を熱源として手作業による攪拌で行うのが「手ぐろめ」です。

くろめ鉢と呼ばれる木製の大きな鉢(直径1mちょっとでしょうか)に漆を入れ、真夏の晴れた日に丸1日かけて天日に当てながら手でかき混ぜます。炎天下でのかなりの重労働です。





国産の漆は生産量が極めて少なく(年間2トンほどなのだそうです)、価格は中国産の実に5倍〜10倍に上ります。
その少ない国産漆も文化財の修繕などに使われる部分が多く、量の観点でも価格の観点でも全てを国産漆のみで仕上げることは非常に難しいのが現実です。
国産漆の産地として知られる岩手県浄法寺などでは下塗りから全て国産漆という漆器もありますが、当然ながらそれだけの価格になります。

畠中さんの工房では、それでも1/3は国産漆を使用しています。

漆の仕入れコストを少しでも下げるために未精製の漆を仕入れて自分たちで手ぐろめで精製しているという背景もあるのです。









漆器は何層にも塗りを重ねて出来上がりますが、塗りと塗りの間に「研ぎ」という工程があります。
一度塗った漆を、椀などの丸物であれば轆轤(ろくろ)で回転させながらサンドペーパーで研いでいきます。
研ぐことで表層に細かな溝ができるため、次の漆の層が定着しやすくなり、より強い漆器が出来上がる訳です。

この研ぎの工程は畠中信也さんのお母様が現役で担当していらっしゃいます。





このように漆器の生産は一家総出で分担しながらチームプレーで行われているのです。
どうしても漆器というと塗師の方のイメージが強いですが、そもそも木地師がいて(畠中さんは石川県の木地師にいつもお願いをしています)、研ぎ師がいて、そして塗師がいる訳です。

漆が減り、木地師も減り、研ぎ師も高齢化が進み、漆器の技術を後世に伝えていくのは簡単なことではありません。
でも英語で"Japanese lacquer"とまさに日本の名を冠する漆の美しさを伝えていく一助に私たちもなりたいと思います。





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- ご注意いただきたいこと -


※商品写真はできる限り実物の色・質感に近づけるよう撮影しておりますが、お客様のお使いのモニター設定、お部屋の照明等により実際の商品と色味・質感が異なる場合がございます。

※うつわは一点一点手作りされています。中にはゆがみがあったり、ざらついていたり、色が均一でなかったりします。ぜひ手作り商品の個性として制作工程に思いを馳せながらお楽しみください。また、使い込むほどに深みを増し、変化する風合いもお楽しみください。

※実店舗にて同時に販売しております。ご注文いただいた後に在庫状況を確認いたしますが、在庫ありの商品でもご注文いただいた時点で「在庫切れ」の場合がございます。その際はメールにてご連絡いたします。何卒ご了承ください。

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