「平湯呑」と名付けられていますが、イメージとしては「小鉢」に近いです。
我が家でも頻繁に登場する使い回しのいいうつわです。
備前焼はその焼け方によって一つ一つ全く異なる表情を見せてくれます。
従って、どの作品も二つとして同じものができることはありません。
どうぞお気に入りの表情を見つけてお楽しみください。
<サイズ>
直径:約90mm/高さ:約40mm
(商品による個体差がございます)
<素材>
陶器
<配送オプション>
ネコポス:対象外
宅急便コンパクト:対象外
- この商品の作り手 -
森一朗
森一朗さんとの出会いは2017年5月。
私たちがまだ会社員だった頃、旅行で備前を訪れたときに「なんかおしゃれなお店がある」と立ち寄ったのが森さんのお店でした。
以来、何度か備前や都内の個展でお会いしたり、お家にもお招きいただいたり(奥様のお料理の美味しいこと!)と親しくしていただいてきました。
森さんのお宅にお邪魔すると、まだ小学生に上がる前の小さな娘さんお二人が当たり前のように備前焼(もちろんお父さんの作品)のコップで水を飲み、備前焼のお皿で食事をしています。
そして「このお皿はね、いつもブルーベリーを食べたりするときに使うのー」などと教えてくれます。
「備前焼」というとちょっと敷居が高いイメージを持たれがちですが、もっと自由でもっと普段使いできる器なんだということを彼女たちが気づかせてくれました。
初めてお会いしたときに購入した作品の一つ
森さんのお店の風景
森さんのお店の風景
備前焼という800年以上続く伝統的な産地にあって、江戸時代には藩主導の生産統合において大窯の運営を任されたいわゆる「窯元六姓(木村・森・頓宮・寺見・大饗・金重)」の家系という森さん。
その伝統はしっかりと引き継ぎつつ、備前焼全体の今後の発展のために備前焼若手作家の旗振り役として、上手に人を巻き込みながら新たな挑戦を続ける姿が印象的です。
(2020年に建て替えられた備前市新庁舎内の備前焼の彫刻の制作を10名ほどの若手作家を率いて主導されたのが森さんです)
実直で飾らず、常に自然体の森さんだからこそ周りの人がついてくるのだろうな、とお話を伺っていてそんな風に感じさせる人柄。
故郷の備前を一度離れ、東京藝大(彫刻科。後に同大院)に進学し、修了後には海外(英・蘭)での生活も経験。そんな幅の広いインプットをしっかりと咀嚼し成熟させた上で、自身の作品のみならず備前という地域へと着実にアウトプットする実行力に、個人的にも大変刺激を受ける作家さんです。
伊部駅構内のカフェ「UDO」もおすすめ。是非立ち寄ってみてください。
備前焼
岡山県備前市伊部(いんべ)は六古窯(後述)の1つに数えられる「備前焼」が作られる場所として古くから知られ、これまで数多くの重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)を生み出してきました。
備前焼は、釉薬を一切使わず、そして絵付けもせず、土のまま2週間近く高温で焼き締めていきます。いわゆる古墳時代の「須恵器」の手法が徐々に変化してきたもので、そういう意味ではとてもシンプルでプリミティブな焼き物と言えるかも知れません。
そしてこのシンプルさ故に原料の「土」と焼成時の「火(炎)」の影響がそのまま作品に現れます。焼成時に窯のどの部分に作品を置くか、どの様に置くか、窯内の微妙な温度の上下、灰の舞い方、酸素の量、その微妙な差異で作品は全く別物といっても良い程に違った表情を見せてくれます。
だから備前焼にはどれ一つとして同じ作品が生み出されることはありません。全てが一点物なのです。
この窯の中での作品の変化を「窯変」と呼び、灰が付着することでごまをふりかけた様に見える「胡麻」や、灰に埋もれた部分に直接火が当たらないことで生まれる「桟切」、元々は窯詰めする際に作品同士がくっつくのを防ぐために使われた藁によって生じる「緋襷」などが代表的な窯変です(備前では特に灰が被ったもののことを「窯変」ということもあるようです)。
これをある程度は意図しながら窯に作品を並べ、でも最終的には運を天に任せて窯に火を入れるのです。
焼け方によってどれ一つとして同じ作品は存在しない備前焼
灰の被り方、酸化還元の度合い等々によってさまざまな表情を見せてくれます。
<六古窯>
古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの窯の総称。古陶磁研究家の小山冨士夫(1900-1975)が命名。
日本遺産にも認定されているこの六古窯とは、越前、瀬戸、常滑、信楽、丹波、備前の6窯。
森一朗の全商品はこちら>> #森一朗(備前焼)
- ご注意いただきたいこと -
※商品写真はできる限り実物の色・質感に近づけるよう撮影しておりますが、お客様のお使いのモニター設定、お部屋の照明等により実際の商品と色味・質感が異なる場合がございます。
※うつわは一点一点手作りされています。中にはゆがみがあったり、ざらついていたり、色が均一でなかったりします。ぜひ手作り商品の個性として制作工程に思いを馳せながらお楽しみください。また、使い込むほどに深みを増し、変化する風合いもお楽しみください。
※実店舗にて同時に販売しております。ご注文いただいた後に在庫状況を確認いたしますが、在庫ありの商品でもご注文いただいた時点で「在庫切れ」の場合がございます。その際はメールにてご連絡いたします。何卒ご了承ください。